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相続

こんにちは!
リベ大司法書士法人 代表の金城(カネシロ)です!
🌀「結婚していないし、子どももいない。自分が亡くなったら、相続人は誰になるんだろう」
🌀「できれば、お世話になった人に財産を残したいけど、どうすればいい?」
最近、結婚しておらず、子どももいない方から、ご自身の相続についてご相談をいただくことが増えています。先日おこなったYouTubeライブでも、「おひとりさまの相続について」ということで、いくつかご質問をいただきました。
そこで今回のコラムでは、私が実際に受任した案件をご紹介しつつ、こうした方の場合の法律上の考え方と、自分の財産を渡したい人にきちんと残すために、今からできる備えをお話ししていきます。
まずは、誰が相続人になるのか、法律上のルールから見ていきます。
配偶者も子どもも親もいない方が亡くなった場合、兄弟姉妹がいれば、兄弟姉妹が相続人となります。
民法では、相続人の順位が次のように決まっているからです。

配偶者も、子(第1順位)も、両親(第2順位)もいなければ、兄弟姉妹が相続人になります。
ただ、実際には、相続人が兄弟姉妹だけにとどまらないケースが多々あります。兄弟姉妹が相続人の場合、ご本人が高齢で亡くなると、兄弟姉妹もまた高齢で亡くなっている可能性があるからです。
その場合には、亡くなった兄弟姉妹の子、つまり被相続人の甥や姪が、相続人となります(代襲相続)。
また、相続発生後、遺産分割前に兄弟姉妹が亡くなると、その家族も手続きに加わり、関係者はさらに増えていきます(数次相続)。
兄弟の多い方だと、兄弟姉妹や甥・姪などを合わせて、相続人が10人、20人になるようなケースもあります。

こうした相続人が10人、20人になるような相続について、実際に私が受任した案件をご紹介します。

本件は、10人兄弟の末っ子である被相続人(亡くなった方)の相続について、依頼を受けた事案です。
被相続人は80歳を少し超えており、生涯独身でした。ご両親はすでに亡くなっており、9人の兄や姉のうち何人かも、すでに他界。
相続関係は、存命の兄や姉だけではなく、甥・姪まで広がっており、私が、相続人の数を数えると、合計30人を超えていました。
一方で、このうち、普段から親交があったのは2人だけでした。高齢者施設に入るときの契約なども、この2人が中心になって進めており、ほかの相続人は、長年連絡が途絶えている状況でした。
私がご依頼を受けたのも、この2人からです。依頼者のご希望は、「不動産を2人の名義に相続登記して、そのあとすぐに売却したい」というものでした。
依頼を受けた私は、まず相続関係を確定するために必要な戸籍を収集しました。さらに、相続人の所在を確認したうえで、相続人全員に対して、遺産分割についての意向を照会するお手紙をお送りします。
その結果、1人を除く全員から、「遺産は一切いらない」という趣旨の回答がありました。「ほとんど交流のなかった人の遺産を受け取るわけにはいかない」ということでした。
一方で、残る1人からは、「自分の法定相続分は受け取りたい」という回答がありました。
遺産分割協議では、相続人全員の合意が必要です。
ほかの全員が「いらない」と言っていても、1人が合意しなければ、相続登記は進められません。話し合いがまとまらなければ、家庭裁判所の遺産分割調停・審判で分け方を決めることになり、解決までにさらに時間がかかります。
そこで、依頼者2人がその方とやり取りをして、法定相続分に相当する金銭を支払うことを提案することになりました。
結果、遺産分割協議は無事に成立します。ただし、依頼者としては、故人と交流のなかった方にも遺産の一部を渡すことになり、少し複雑な思いもあったようです。
とはいえ、法律上の相続人である以上、交流の有無にかかわらず、法定相続分を受け取る権利があります。相続人が数人であれば話し合いはまとまりやすいですが、30人を超えると、全員の考えが一致するとは限りません。
私は司法書士としてこういった事例をいくつも見てきたので、配偶者も子どももいない方には、「遺言は残しておいた方が良いですよ」とお伝えしています。
遺言がなければ、「誰に、いくら残したいか」というご本人の意向が反映されないからです。さらに、面識のない相続人と話し合う負担も、残された方々が背負うことになります。
一方、遺言があれば、その内容に沿って手続きを進められます。しかも、兄弟姉妹や甥・姪には遺留分がありません。遺言執行者を決めておくなどの手当てをしておけば、基本的には、遺言の内容がそのまま実現します。
今回の事例でも、「不動産は〇〇さんと△△さんに相続させる」という遺言を残していれば、30人を超える相続人全員の合意を得る、という負担は生じなかったはずです。
「自分の財産は、これまで支えてくれた人に渡したい」
「お世話になった方や団体に、感謝の気持ちとして残したい」
そうした意向を叶える意味でも、元気なうちに遺言を作っておくことが、いちばんの備えになります。
ありません。遺留分(遺言があっても最低限受け取れる取り分)が認められているのは配偶者・子・父母などで、兄弟姉妹には認められていません。兄弟姉妹の代わりに相続人になる甥・姪も同じです。
兄弟姉妹が複数いる場合、相続分は均等です。ただし、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(異母・異父の兄弟姉妹)は、父母の両方が同じ兄弟姉妹の2分の1になります。
甥・姪は、亡くなった親(ご本人の兄弟姉妹)が受け取るはずだった相続分を引き継ぎ、その子どもたちで分けます。たとえば兄弟姉妹が4人で、そのうち1人が先に亡くなっていて子が2人いれば、存命の3人が4分の1ずつ、甥・姪2人が8分の1ずつです。

戸籍の附票などから現在の住所を調べられます。住所が分かった後は、まずはお手紙などを送り、協議への協力をお願いすることが多いです。
調べても所在が分からない場合は、家庭裁判所に、その人に代わって協議に加わる人を選んでもらうことになります。
相続人が誰もいない場合、財産は最終的に国のものになります。
具体的には、利害関係人などの申立てで家庭裁判所が「相続財産清算人」を選び、借金の支払いなどを済ませたあと、残った財産が国庫に入ります。ただし、ご本人の療養看護に努めた方や、生計を同じくしていた方など(特別縁故者)が家庭裁判所に申し立てれば、財産の全部または一部を受け取れることがあります。
今回は、配偶者も子どももいない方の相続で、相続人が30人を超えた事例をお話ししました。ポイントをまとめると、次のとおりです。
配偶者なし・子なし・親なしの方の相続人は兄弟姉妹。兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、甥・姪まで広がる
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要。1人でも合意しなければ、家庭裁判所の調停・審判で決めることになる
兄弟姉妹や甥・姪には遺留分がないため、遺言を残せば、その内容どおりに財産を渡せる。遺言執行者もあわせて指定しておくと、手続きがスムーズになる
生涯独身で、長く連絡を取っていない親族が相続人になる可能性がある方は、ご自身が元気なうちに「誰に渡したいか」を、遺言などで決めておくことも検討してみてください。
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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